東京ストラディバリウスフェスティバル2018

ABOUT

STRADIVARIUS ‘f’enomenon

ストラディヴァリウス。
一挺数億円といわれ、ヴァイオリンのマスターピースとして賞賛されてきた。
ローマ法王もマリー・アントワネットもその音を愛したと言われ、
演奏家達はストラディヴァリウスほど弾く人を選ぶ楽器はないと、その不思議さを口にした。
けれど、そうして人々の間で神格化されるほど、その存在は骨董品化も招いた。

どれだけ金銭価値が高まったとしても、
ストラディヴァリウスが300年経った今も進化しつづける
“生きた楽器”だということを私たちは忘れてはならない。
いつの時代にも、その音にはリスナーがいた。
宮廷音楽の小部屋から、コンサートホールに演奏の場を移しても、
その場所、その時代、その聴衆に合わせて進化をつづけ、後には大きな拍手が残った。

聴衆を巻き込むその不思議な現象を、私たちは STRADIVARIUS ‘f’enomenonと名付けた。
2018年、アジア初の規模で、21挺のストラディヴァリウスを東京に迎える。
私たちはまたとないこの機会に、クラシック史上類を見ない〈体験型〉フェスティバルの開催に挑戦する。

コンサートホールにとどまらず、エキシビジョン会場にもライブスペースを設置。
これまでにないフレンドリーな距離で、300年の歴史が培った響きを体験してもらう。
さらに、東京のテクノロジーともセッション。
ストラディヴァリウスの響きの広がり、内部の音などを様々な方法で収録。
聴覚以外の感覚をも刺激する体験も届ける。

多様なディメンションからSTRADIVARIUS ‘f’enomenonを体験することで、
多くの人が自らの言葉でその魅力を語るようになること。
それが次の300 年の伝承価値を紡ぐことになると、私たちは確信している。

GREETINGS

フェスティバルに向けて

このたび、ヴァイオリンの歴史を語る上で欠かせない、圧倒的な知名度を誇る「ストラディヴァリウス」に焦点を当てたフェスティバルを開催する運びとなりました。アントニオ・ストラディヴァリの死後250年にクレモナ市で開催された展覧会(1987)、ロンドンのアシュモレアン博物館で行われた展覧会(2013)、そして2018年、ここ東京でアジア初となるストラディヴァリウスフェスティバルの開催を宣言致します。

ストラディヴァリウスは億単位の価値がある弦楽器として知られていますが、その「本当の価値」が伝わりきれていないのが現状です。なぜ、300年経った今も、人間の感覚を揺さぶる特別な響きを持っているのか。ほとんど人間は科学進歩の中で生きているにも関わらず(特にこの5年ほどは、iPhoneに代表されるデジタルの進化が著しかったにも関わらず)、ストラディヴァリウスだけは、今も変わらずに「生きた楽器」として我々に感動を与え続けている。この不思議な現象を生で体験していただけたら、より多くの方がヴァイオリンに興味を持つようになるのではないか。そしてそれは、狭くなりつつあるクラシック業界の門戸をより広い間口へひらくことに繋がるのではないか。そのように思い、世界で最もひらかれたヴァイオリンフェスティバルを、東京で開催しようと決意しました。

日本において音楽振興イベントは数多あり、毎日のようにコンサートが開かれています。けれど、「楽器が主役」になったものは決して多くない。ヴァイオリンという存在をツールとして扱うのではなく、タレントにしたフェスティバルをつくりたい。ひとりの人間の生涯を知るようにヒストリーを学ぶことができ、関係者からのトークも聞くことができ、その音を生で聴くことができ、見えないはずの音の姿を見ることもできる。今の時代だからこそ可能になった連携プレーで、ヴァイオリンの魅力を多様な次元から紐解いていきたい。

その発案に、クレモナ市ヴァイオリン博物館をはじめとし、東京藝術大学、英国王立音楽院、アシュモレアン博物館、ハピスロイティンガー・ストラディヴァリ財団・・・多くの財団や音楽大学、博物館がご賛同くださり、21挺のストラディヴァリウスが東京に集結する運びとなりました。これほどの数が集まるのは、アジア史上初のことです。アントニオ・ストラディヴァリがつくった、地球上に10本程度しか現存しないヴィオラ、そして世界に5本程度しか存在しないギターも初上陸します。ストラディヴァリのルーツを辿れる作品が全て揃ってはじめて語れることがあると考え、ヴァイオリンの始祖とされるアンドレア・アマティ(推定1505-1579年)の展示も実現致しました。また、ストラディヴァリに続けとクラフトマンシップを磨く、現代を代表するクラフトマンの作品も併せて展示することで、この先の未来へ続くヴァイオリンの可能性も提示したいと考えています。

スポーツのオリンピアードの前には、カルチュラル・オリンピアードがあると、ブリティッシュ・カウンシルは宣言しました。未来の文化を担う人に活躍の場をつくること。東京2020にもその使命があると考えます。日本にも、素晴らしい音楽家が沢山います。これからの文化をつくる彼らに、これまでのクラシック文化を牽引してきた「ストラディヴァリウス」を貸与することで、新たなクラシックの歴史をここから紡いでいきたい。各国で大切に所有・保管されてきた楽器が、時と国境を超え、次世代へと手渡されてきたからこそ今があります。音楽文化・芸術を支えてきた、楽器支援の大切さもこの機会に皆様にお伝えできれば幸甚です。

東京ストラディヴァリウスフェスティバル2018実行委員会実行委員長/代表キュレーター日本ヴァイオリン代表取締役社長中澤 創太

フェスティバル開催によせて

クレモナ市ヴァイオリン博物館館長 
「フレンズ・オブ・ストラディヴァリ」会長 
パオロ・ボディーニ

クレモナの「顔」としてその名を世界に轟かせるアントニオ・ストラディヴァリ。卓越した芸術性、洗練された職人技、比類なき音色の代名詞ともされるストラディバリウスを開発した偉大な業績は、時、国境を超え、すべてのヴァイオリン製作者の絶対的な基準となっています。500 年という長い月日を通して、今もなお受け継がれる製作技術を生み出したストラディヴァリの功績は、ユネスコにより世界無形文化遺産に登録されています。

イタリア・クレモナ市のヴァイオリン博物館は、ストラディヴァリの本拠地にて、世界で唯一その類まれなる歴史を保存し、世界の皆様にご紹介することを目的に設立されました。

このことからも、ヴァイオリン博物館が東京ストラディヴァリウス フェスティバル2 018年に参加することには大きな意味があります。巨匠による美しい楽器が世界中から一堂に集められるこのフェスティバルにおいて、当館は、ストラディヴァリの工房から貴重な道具や型、巨匠について綴られた文書の原本などを提供し、日本で初めて展示することになりました。

その中でもとりわけ二つの作品にご注目いただきたいと思います。ストラディヴァリが製作した5 本のギターのうち、唯一演奏できる1 本「サビオナリ」、そしてストラディヴァリが生を受ける約150 年前、クレモナのヴァイオリン製作の始まりとされ(私からすれば“ビッグバン”)、フランスのシャルル9世に献上するためにアンドレア・アマティが制作したヴァイオリンです。この様に東京ストラディヴァリウス フェスティバル2018 は、日本だけでなくアジア全体としても初めての催しであり、極めて重要な意味合いをもっています。

ヴァイオリン博物館としましては、共催者としてこの日を迎えることができましたことを光栄に感じております。そして当フェスティバルがクレモナと日本の絆をさらに強いものにし、日本とイタリアが長年共有してきた友情と芸術への熱意のもと、文化交流がさらに活発になることを心から願っております。

ヴァイオリニスト、
東京藝術大学学長、英国王立音楽院名誉教授 
澤 和樹

名器の代名詞、ストラディヴァリウスは演奏家にとって夢の楽器であるだけでなく、その音色とともにフォルムの美しさ、そして見るものを惹き込んでしまう見事なニスなど、人類が生み出した最高の美術品としても人の心を大きく揺るがすものです。この度、きわめて貴重なギター、ヴィオラ、チェロを含むストラディヴァリウス2 1挺が、アジアの歴史上初めて世界から東京・六本木ヒルズに集まり展示されるということは、私たちにとってまさに千載一遇のチャンスです。東京藝術大学が、前回の東京オリンピック・パラリンピックの年、1964年(昭和39年)以来所有している1717年製「Park」も我が国で公開展示されるのは今回が初めてですし、この展覧会のプレ・イベントとして7月1日には、東京藝術大学と英国王立音楽院のジョイントオーケストラによる「ストラディヴァリウス コンサート」がサントリーホールで開催され、両校の学生ソリストによるヴィヴァルディの4つのヴァイオリンのための協奏曲や、三浦文彰氏(ヴァイオリン)や宮田大氏(チェロ)など若い世代のソリストによるオール・ストラディヴァリウスによる共演も行われます。

今回の展覧会では、楽器の展示にとどまらず、ストラディヴァリの生い立ちや製作過程を辿り、その素晴らしい音色を生み出す秘密を科学的に探求する試みも行われます。また、期間中のトークセッションやミニコンサートなど盛りだくさんな企画で、益々ストラディヴァリウスの虜になる方が増える事でしょう。展覧会の成功を心よりお祈りいたします。

英国王立音学院 学長 
ジョナサン・フリーマン・アットウッド教授、CBE

偉大なる巨匠を称えるべく世界各国から貴重な逸品を集結させた東京ストラディヴァリウス展示会2018に、私たち、ロンドンの英国王立音楽院が協力させていただけたことを光栄に思っております。

この度、英国王立音楽院が誇れる7 挺のストラディヴァリから、「クステンダイク」を フェスティバルで展示することになりました。1699年というストラディヴァリの黄金期の始まりとされる重要な年に製作されたこの優美なロングパターンの特徴を誇るストラディバリウスは、この度初めて日本の地を踏むことになりました。

当院の貴重な楽器のコレクションが海外で初めて展示されたのは、ストラディヴァリ没後250年となる1987 年でした。そして最近では、2013年に現存する作品を代表する3 挺、「ヴィオッティ」、「ハベネック」、「アーキント(ヴィオラ)」がイタリア・クレモナ市に里帰りしたのち、英オックスフォードのアシュモレアン博物館で展示されました。

東京ストラディヴァリウス フェスティバル2 018 では、16 世紀中ごろとストラディヴァリが誕生した1644 年より一世紀前にアマティ家に始まった世界に誇れるクレモナのヴァイオリン製作文化に新しい光をあて、ストラディヴァリ工房の知られざる側面がご覧いただけるはずです。

そしてこれを機に英国王立音楽院と東京藝術大学との関係はさらに強固なものとなりました。2018年7月1日、サントリーホールにて開催される「ストラディヴァリウス・コンサート」にてオーケストラ共演ができることを心より楽しみにしております。

OUTLINE

開催概要

名称
東京ストラディヴァリウス フェスティバル 2018 -‘f’enomenon-
開催期間
7月〜10月
会場
森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ)・サントリーホール(赤坂アークヒルズ)・ヤマハホール
主なプログラム
  • CONCERT
    ストラディヴァリウス ソロイスツ コンサート 
    〜三浦文彰・宮田大 with 東京藝術大学・英国王立音楽院 日英名門音楽大学ジョイントオーケストラ〜
    日時:2018年7月1日 14:00開演(13:20開場)
    会場:サントリーホール 大ホール
    徳永二男 プレミアム・リサイタル
    〜ストラディヴァリウスで奏でる円熟味の旋律〜
    日時:2018年8月17日(金) 19:00開演 (18:30開場)
    会場:ヤマハホール
    マキシム・ヴェンゲーロフ ストラディヴァリウス・リサイタル 2018
    日時:2018年10月1日(月) 19:00 開演
    会場:サントリーホール 大ホール
  • EXHIBITION
    STRADIVARIUS 'f'enomenon
    ストラディヴァリウス300年目のキセキ展
    日時:2018年10月9日(火)〜10月15日(月)
    会場:六本木ヒルズ 森アーツセンターギャラリー
主催
東京ストラディヴァリウス フェスティバル 2018 実行委員会
監修
日本ヴァイオリン
代表キュレーター
中澤創太(日本ヴァイオリン)
スペシャルパートナー
Museo del Violino(クレモナ市ヴァイオリン博物館)
エアラインパートナー
全日本空輸株式会社
特別協力
東京藝術大学、英国王立音楽院
協力
パソナグループ、森アーツセンター、株式会社オカムラ、アシュモレアン博物館、The Strad、サントリーホール、IHG・ANA・ホテルズグループジャパン、NPO法人イエロー・エンジェル、Accademia Nazionale di Santa Cecilia、ハビスロイティンガー・ストラディヴァリウス財団、ヤマハ株式会社、 ヴィーブル
機材協力
テクニクス
後援
イタリア大使館、ブリティッシュ・カウンシル、J-WAVE 81.3FM
協賛
Leonald Santi Limited、センチュリータイムジェムズジャパン株式会社

東京ストラディヴァリウス フェスティバル 2018 実行委員会

実行委員長
中澤創太
総合プロデューサー
宮内翔
クリエイティブディレクター
齊藤智法
プロジェクトライター
三國菜恵
事務局
福島杏奈、菊地明佳、渡辺祥子